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スマートホーム(スマートハウス)の記事
2017.12.16
2019.05.01

エネルギーコントロールの観点からスマートホーム化を目指すシステムについて

家庭内におけるエネルギーコントロールシステムといえばHEMSがその中心になってきますが、普及はまだまだ進んでいません。今回はスマートホームにおけるエネルギーコントロールという観点からHEMSの基礎知識や普及のための課題などを解説します。

記事ライター:iedge編集部

エネルギーが「見える化」されたスマートホーム

HEMS(Home Energy Management System)とはスマートホームで消費されるエネルギーを集中管理するシステムのことで、政府が策定した「グリーン制作大網」では2030年までに、全ての住宅にHEMSの設置を義務化することを目標としています。

HEMSを導入することによって具体的にどのようなことが可能になるのかというと、まず基本的な部分として「家庭内の電力の使用量をコンセントごとに管理」できるようになります。

テレビ、冷蔵庫、エアコン、照明、電子レンジ、給湯器、床暖房、電気ケトルなどあらゆる家電がコンセントに繋がれていますが、これらがそれぞれ「いつ」「どれくらい」電力を消費しているのかが可視化され、HEMSモニターで確認できるのです。

また、HEMSの実力はスマートホームの消費エネルギーを見える化するだけでなく、たとえばHEMSと通信するための規格「ECHONET Lite」に対応している家電であれば、家電の遠隔制御や自動運転も可能になるといったメリットがあります。

「会社が終わって帰宅する頃にはお湯が沸いているようにする」こともできますし「エアコンをオンオフしなくても常に快適な室内環境を保っておく」こともできるようになるのです。

これまで日本における「節電」「省エネ」と言えば「こまめに電源を切る」ことでしたので、上記の“エアコンのつけっ放し”に関しては賛否両論あるかもしれません。

しかし、「猛暑の日に外出する時はエアコンをオフにして、帰宅したら一気に冷やす際に消費するエネルギー」と「常にエアコンをオンにしておいて、ある程度冷やしておくエネルギー」とでは後者の方の効率が良いという話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?

家電ごとや部屋の広さによって電力消費量が異なりますので一概には言えませんが、最適な方法を判断してスマートホームのエネルギーを制御してくれるのがHEMSでもあるのです。

また、電気自動車に乗っている方は、帰宅後コンセントに繋いでおけば、HEMSが夜間など電気代の安い時間帯を判断して充電してくれたり、逆に電気代の高い時間帯では省エネモードに切り替えてくれたり、といったこともしてくれます。

HEMSと併せてスマート家電、太陽光発電、家庭用蓄電池、燃料電池、さらにはエコジョーズやエネファームなどを組み合わせることでスマートホーム全体のエネルギーがしっかり管理され、経済的にも恩恵を受けられますし、省エネや環境問題にも貢献できるようになります。

このようにエネルギーの観点からスマートホーム化を実現してくれるのがHEMSなのです。

 

スマートメーターの導入によって、さらにエネルギーの効率化が可能に

各電力会社は2011年度より順次スマートメーターへと切り替えていおり、2024年にはほぼすべての世帯への導入が完了すると言われています。

スマートメーターとはリアルタイムや30分ごとの電気の使用量も計測してくれますので「今行っている節電対策の効果」がよりはっきりと分かるようになるほか、自動検針も行えますので電力会社にとっては検針に費やす人件費を大幅に削減できるようになります。

HEMSを導入している住宅では、スマートメーターとの連携によってさらに詳細に電力使用量が把握でき、一層の省エネ・節電効果が見込めると期待されています。

さらに、スマートメーター普及後は電気料金のより細かいメニュー(例:13時~16時に通常の5倍の110円/kWhになる等)も出てくると言われています。

HEMSがスマートメーターと連携することでこれらの料金メニューなども把握したうえで家電をコントロールしてくれるようになれば、ここでも大きなスマートホームのエネルギー削減・節電効果が期待できます。

 

他のスマートホーム関連デバイスとエネルギーコントロールシステムの連携

HEMSはやがて全住宅に設置されることになるとはいえ、2013年度末の時点で総住宅数のわずか0.3%、2020年度末の導入予測は同3%程度(株式会社富士経済によるHEMSの国内市場調査)と、実際にはまだまだ普及が進んでいません。

電力供給事業あるいは関連サービス事業においてHEMSを低価格(または無料)で提供するビジネスモデルの構築、あるいは他のスマートホーム関連IoTデバイスとの連携なども、今後の普及のためには必要になってくるのではないでしょうか。

たとえばNest社の「Learning Thermostat」などは人工知能を搭載したデバイスで、温度センサー、湿度センサー、人感センサー、光センサーなどが感知した情報を元に家電をコントロールしてくれます。

たとえば、あなたが冬場は朝6時に起きてエアコンをオンにして部屋を暖めて、会社に行く時はエアコンをオフにして、19時に帰宅したらまたエアコンをオンにして部屋を暖めて……と繰り返しているとします。

するとLearning Thermostatはその生活パターンを学習し、何もしなくても6時に快適な室温になるようエアコンを制御し、外出中は適度な温度に保ち、19時頃には快適な空間を創り出して待っていてくれるようになるのです。

Learning ThermostatとHEMSが連携するとどうなるでしょうか?

HEMSが管理する「今日の電力使用量」や「今月の電気代」などの情報を元により、緻密な温度設定や風量設定が可能となり、人がいない時間帯の動作の有無などを制御することで、高い省エネ性と節電効果が期待できるようになります。

さらに先のスマートメーターも連携すれば、それらのスマートホームのエネルギーコントロールはより高精度で行われるようになるでしょう。

 

スマートホームにおけるエネルギーコントロールをどう広めていくか

HEMS、スマートメーター、その他のスマートホーム関連IoTデバイスなどをうまく連携させることで、居住者の快適性や利便性を損なわないまま高精度の省エネ性や節電効果が期待でき、すなわち普及にも大きく貢献できると考えられます。

スマートホームはあらゆる家電がインターネットを介して繋がり、私たちの生活をより便利で豊かなものにしてくれますが、一方でこうした環境面や省エネ面でも大きく貢献する側面を持っています。

HEMSを全住宅へ普及するためにも、国民の認知度や理解度、スマートホームにおけるエネルギーコントロールの重要性などをどう広めていくかが課題となりそうです。

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