Amazonのレジなし決済システム「Just Walk Out」、他社小売店に販売開始

「Just Walk Out」とは？

画像引用元：https://www.newsradioklbj.com/2020/03/16/amazon-has-technology-other-retailers-want/

「Amazon Go」をご存知でしょうか。米Amaoznがシカゴやニューヨークなど4都市で展開している”レジなし”コンビニです。朝食やランチ、スナックなどすぐ食べられる食品を販売しています。

Amazon Goを利用するには、AmazonのアカウントとAmazonのアプリがインストールされているスマートフォンが必要です。店舗の入り口にはQRコードがあり、アプリを使ってスキャンしてから入店します。普通のコンビニやスーパーと同じように欲しい物を手に取る（あるいは棚に戻す）と、その動作が追跡され、「仮想買い物カゴ」に管理されます。そのまま退店すればAmazonアカウントで決済され、レシートが送られてくる仕組みです。レジに並んだり、商品をスキャンしたりしなくていいのです。

この仕組みにはコンピュータービジョン、センサー・フュージョン、ディープラーニングといった、自動運転車と同じ技術が使われています。この一連の仕組みを「Just Walk Out」と呼ぶのです。

「Just Walk Out」を他小売店に提供開始

米Amazonは2020年3月9日、Just Walk Outを外部の小売店に提供すると発表しました。

Amazonの直営小売店であるAmazon Goと違う点は、入店の際AmazonアカウントでQRコードをスキャンするのではなく、クレジットカードをかざす点です。また、レシートは店内のキオスク端末にメールアドレスを入力すると送られてきます。同じクレジットカードで2回目以降の入店なら、レシートのメールは自動的に送信され、メールアドレスを再度入力する必要はありません。

Amazonによると、既存の店舗にJust Walk Outを導入するのにかかる時間は、たった数週間ということです。Just Walk Outの導入はライセンス制で、導入店舗がAmazonの傘下に入るわけではありません。

有人決済がいらないことで、顧客はスムースでストレスフリーな買い物体験、そして大幅な買い物時間の短縮ができ、店舗側にも人件費の節約、感染症リスクの低減などといったメリットがあります。とはいえ完全な無人店舗というわけではなく、品出しや、アルコールを購入する客の年齢チェック、客からの質問に答えるといった業務を行う店員は必要です。

すでに、アメリカ各地の空港で小売店「CIBO EXPRESS」を展開しているOTGが、Just Walk Outを導入する計画を発表していて、ニューアークリバティー空港ターミナルCの店舗ですでに利用が開始されています。さらに、ニューアークリバティー空港内の別店舗、ラガーディア空港内の店舗でも近々開始される予定です。

OTGのCEO、Rick Blastein氏は「空港体験を最適化し、顧客の貴重な時間を奪わないため」にこの技術を導入すると話しています。

「Just Walk Out」はどこで体験できる？

現在Just Walk Outを体験することができるのは、Amazon Go各店舗と、Amazon Go Grocery（Amazon Goと同形態で、主に生鮮食品を取り扱う店舗）、ニューアークリバティー空港ターミナルCのCIBO EXPRESSです。

Amazon Go

※休業等の情報は2020年3月現在

Amazon Go Grocery

CIBO Express

現在はアメリカ国内のみで体験できるJust Walk Out。類似の技術として、サンフランシスコの企業「Standard Cognition」が開発したシステム「Standard Checkout」があり、すでに日本に進出しています。ドラッグストアチェーン「薬王堂」の仙台泉館店で実証実験が行われましたが、実際に導入されるかどうかは未定です。

この画期的な買い物テクノロジーが日本でも広まっていくのか、今後の展開に注目していきたいですね。