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スマートホーム(スマートハウス)の記事
2022.12.22
2022.12.22

家のテクノロジーを見に行こう。ジャパンビルドー建築の先端技術展in東京展 イベントレポート

記事ライター:iedge編集部

1. なんだかんだ、次のトレンドを知るには展示会が一番

新橋駅からゆりかもめに揺られること20分、冬の辛く厳しい風の吹く中、はるばる東京ビックサイトまでやってきた。最寄りの駅からそんなに歩くわけではないが、だだっ広い空間に鎮座する特徴的な建造物を見ていると、なんだか途方もない道のりを歩かなければいけない気になってくるのが不思議なところだ。

しかしながら、そんな気持ちの問題は捨て置き、経典を取りに天竺を目指した三蔵法師のさながら、私はビックサイトに行かなければならなかった。住宅の次のトレンドを見届けるため、ジャパンビルドに足を運ぶ必要があったのだ。

ネットを中心にした効率的な情報収集が是とされる時代ではあるが、自分の認識外の情報に触れる一番最適な手段はやはり展示会だと思う。ブースを適当にフラフラと歩いていると、ここでしか出会えなかったであろう企業や製品に出会えることがある。ネット書店よりも実際の本屋をめぐった時の、あの偶然の出会いに似ているかもしれない。今日はそんな展示会で出会った企業と展示製品について紹介していきたいと思う。

※取材させていただいた企業は50音順で掲載しております。

2.本編に入る前に、ジャパンビルドの概要はこちら

本編に入る前に、簡単にジャパンビルドについて説明しておきたい。ジャパンビルドはRX Japan株式会社が主催する建築・住宅に関する展示会だ。年に一度東京と大阪で行われており、2022年はインテックス大阪と東京ビックサイトでそれぞれ開催された。

正式名称は「ジャパンビルドー建築の先端技術展」で、建設業、不動産業に関する様々なサービスや製品の展示が行われている。

業界人向けのイベントのため一般の人は入場できないが、業界人であれば足を運んでも損はないイベントだと思う。

ちなみに、ジャパンビルドは以下の7つの展示会から構成されている。

①[高性能]建材・住設EXPO

②スマートハウスEXPO

③スマートビルディングEXPO

④施設リノベーションEXPO

⑤商業施設・店舗DX展

⑥不動産テックEXPO

⑦建設DX展

各展示会の詳細は公式サイトを参照してほしい。

https://www.japan-build.jp/hub/ja-jp.html

3.出展社の紹介※紹介順序は50音順です。

3-1.株式会社アクセルラボ 出展製品「SpaceCore(スペース・コア)

前回の大阪展のイベントレポートに引き続き、会社名の関係で一番最初に紹介するのがこのアクセルラボだ。

今回の展示会では実際の住宅を模したブース造作を行っており、遠目から見るだけでワクワクさせられるブースとなっている。ブース上部に設置された社名パネルがかっこいい。アクセルラボが出展しているのはジャパンビルド内の「スマートハウスEXPO」であるが、こちらはスマートホーム・スマートハウス事業に取り組む企業の同窓会状態になっている。事業者向けスマートホームに取り組む企業がほぼ勢ぞろいしている。スマートホームの導入を検討する事業者は、こちらに来るだけで日本のビルドイン型スマートホームについて詳しくなって帰れるだろう。

さて、余談はさておき、アクセルラボのブースを実際に見ていこうと思う。

ブース前面では随時セミナーが行われていた。スマートホームを活用した賃料アップがテーマのようだ。スマートホーム事業者の多くが、導入後の効果として生活の質向上をプッシュしている中、事業者側が得られる具体的なベネフィットを提示している点は特徴的だ。

また、展示内容自体も関西展より大きくグレードアップしていた。

まず目を惹くのが実際の住宅で使われるドアであるが、こちらにはスマートロックが設置されていた。玄関ドアのサムターンと交換して設置するタイプとのことで、キーパッド・アプリ・FeliCaカード等で施解錠ができるらしい。

その脇に設置されているのがスマートインターフォンだ。現在日本で大普及中の中国発スマートインターフォン「AkuVox」とのシステム連携を行ったことによる展示のようだ。Akuvoxはそれ単体でもインターフォンとして機能するものの、SpaceCoreとの連携により、スマートホーム全体を管理するアプリ上で統合的に使用できるらしい。スマートホーム利用のひとつのネックとして、メーカごとに分かれたアプリをそれぞれ使い分けることがあげられるが、ワンアプリであればその心配もないだろう。

また、その他実際に動くスマートカーテンやスマート照明を見学してきた。私も自宅を一部スマートホーム化しているが、このように家全体を統合的に操作できる製品はやはり使い勝手が良さそうだ。確かな実績の伴うアクセルラボの躍進に今後も期待大である。

3-2.株式会社アスタリスク 出展製品「AsReader GoMA

次に紹介するのは株式会社アスタリスクの顔認証型スマートロック「AsReader GoMA」だ。アスタリスクをスマートハウスEXPOで見かけるのはおそらく初めてだが、その社名を知っている人は多いだろう。2021年に東証マザーズへ上場した同社は、下町ロケットさながら、某アパレル製造小売業の大手企業に勝訴した企業である。

IoTを基盤に様々なモノの認識に強みを持つ同社が次に進出したのが、この顔認証型スマートロックの領域だ。

スマートロックの解錠方法には様々な種類があるが、その中でも生体認証は高い利便性と、同じく高い導入障壁を持つ。特に顔認証においては、集合住宅での導入は始まっているものの、一般人が自宅に取り付けて使うにはまだまだ敷居が高い。

そんな顔認証型スマートロックに新風として飛び込んできたのが「AsReader GoMA」だ。ハード自体はシンプルで、ドアの外側にスマートフォンを内蔵した認証機を設置する。このスマートフォンが顔写真を撮影・認証し、あらかじめ登録された個人であれば内側に設置されたスマートロック(SESAMI LOCK)がオープンされる仕組みだ。

大規模な工事や設備投資が不要なため、戸建て住宅の持ち主が気軽に顔認証ロックを導入することができるだろう。ちなみにこの認証機、SESAMI LOCK以外にも大規模なオフィスビルでよく目にする入場ゲートでも利用できるそうだ。FTP連携で他システムとも接続できるため、勤怠システムとオフィスの入退館を連動させるなんて使い方もできそうだ。

3-3.株式会社ウエスト 出展製品「WEST Connected lock E06

株式会社ウエストは1933年から鍵の制作を行っている老舗企業だ。元々は引き戸用の鍵や電気錠、レバーハンドルなどを制作していたが、2019年からスマートロック「E06」を提供しはじめている。

今回展示されていたのは「E06」をはじめ、株式会社ウエストが提供している各種スマートロックだ。特徴的なのはその意匠性の高さである。スマートロックというと、黒い筐体を基調に、なるべく目立たないようなカラーリングを施しているものが多い。既存の玄関ドアと見比べて、違和感がないようにするための配慮だろう。しかしながら、このE06はこれ自体がドアを装飾するかのように、非常に刺激的な色使いをしている。

日本のスマートロック元年とされる2015年、これは現在でもスマートロック提供事業者の中心的存在であるフォトシンス、ライナフ、Qrioが事業展開を開始した年である。まさにそこから日本のスマートロック市場は幕開けしたわけであるが、「E06」の発売はそれから4年程経った2019年のことである。ファーストペンギンズが3匹もいる市場に飛び込んでくるにあたり、この意匠の部分に大きく力を割いたのかもしれない。

もちろん見た目が派手なだけが特徴ではなく、タッチパッドやICカードでの解錠や、クラウドによる鍵の複数管理、ワンタイムパスの発効といった現在のスマートロックに必須の機能は一通り揃えている。ちなみに、E40という顔認証用の機器も開発しているそうなので、今流行りの生体認証にも対応している。

3-4.カラーアンドデコ 出展製品「カラデコファスト

家を借りるでも買うでもいいが、なんらかの住宅を選ぶ際に、その物件で送る生活が想像できずに困ったことはないだろうか?戸建て住宅の展示場であれば家具が置いてあることもあるが、賃貸住宅の内見で目にするものの多くは単なる空間である(語弊があるが)。いざ住み始めて家具を置いてみると、内見時に感じた家の広さはどこかに消え失せている...なんて経験のある方もいるのではないだろうか。

実はそれは日本だけの問題ではなく、1972年、アメリカでは不動産の早期売却を狙って家具や小物で室内をしつらえ、ライフスタイルの提示とセットで住宅を販売する手法が流行った。家だけではなく、生活の様子まで含めた総合的な提示を人々は求めていたのである。これがいわゆる、ホームステージングの始まりである。

そこから時は流れ、オンライン内見の普及も後押しになってか、何もない部屋に家具を合成し、オンライン上でホームステージングを行うバーチャルホームステージングが普及している。住宅の3D写真をベースに、家具を合成したり壁紙を変更したりといったドレスアップを行い、マッターポートのように家の中を自由に歩き回って回覧できるという優れものだ。

事前説明が長引いたが、カラーアンドデコはそんなバーチャルホームステージングを事業とする企業だ。元々はホームステージングジャパンという実空間のホームステージングを手がける企業を母体としており、ホームステージングをより手軽に行うための手段として、バーチャル空間での展開を目的として設立されている。

そんなカラーアンドデコが最近リリースしたサービスが「カラデコファスト」だ。不動産のポータルサイトや広告に載せるための物件写真をカラーアンドデコに送るだけで、最短3時間という短さでインテリア配置がされた写真になって返ってくる。販促したい住宅の室内写真を朝方取るだけで、その日の夕方には綺麗なインテリアが配置された写真になって戻ってくるのはなかなか使い勝手が良いのではないだろうか。

これは我々のような家を探す側にとっても好都合で、何もない室内写真だけよりも、そこでの暮らしが想像できる写真を掲載することが当たり前になり、どのような物件でも見られることで家探しの効率は大きく上がることが予想される。ただし、過度に修飾された写真ばかりになるのも怖いので、何もない写真とバーチャルインテリアが施された写真がどちらもあることが望ましいだろう。

3-5.スマサテ株式会社 出展製品「AI賃料査定システム スマサテ

自分が今住んでいる部屋の家賃がどのように算出されているか、皆さんは気にしたことがあるだろうか。エリアで探すとだいたいの家賃相場が決まっているので、ある程度法則性をもって家賃が設定されているのは読み解けるが、それはいったい誰の手によって決められているのだろうか。

調べてみると、多くは周辺相場をベースに、その部屋の階数や設備など、細かな要素を変数として決定しているようだ。実際に賃料の査定経験のある人に聞いたところ、それに加え経験に基づく補正や教わってきた流派や地域差も入ってくるらしい。

ビックデータとそれを解釈する人間によって決まるこの家賃という存在を、AIを使って代行してしまうのがこの「AI賃料査定システム スマサテ」だ。

家賃を決める側にとっては、参考賃料となる周辺物件のデータを調べる時間が削減でき、担当者ごとに微妙に変わる家賃を画一化することができる。また、査定金額の根拠もAIが出してくれるようなので、どうしてこの家賃なのかという説明まで適切に行うことができる。

これは家を借りる側にとっても有益で、賃貸物件の比較時に、家賃帯で大まかなイメージを持つことに役立つ。同じエリア・家賃の物件であれば、それ自体のクオリティはある程度同質なのだろうということが読み解けるようになる。逆に周辺相場よりも異常に高い・低い物件があれば、AIが機械的に判断できるだけの要素があったのだろうということも想像できる。ただし、掘り出し物のような物件は多少減っていくかもしれないが。

5.今回行きそびれた業界人は来年行ってみよう

今月の初めに行われたジャパンビルドであるが、実は来年の日程が既に決まっている。

ジャパンビルド 公式サイトはこちら

気になる人はこちらを確認しておこう。まだ先の予定過ぎて正直来場予約までは手が動かないかもしれないが、こういった展示会は毎年足を運ぶことで細かいトレンドの変化も読み解けるようになる(かもしれない。)

来場した感想として外国人の来場者が昨年より多くなっている印象を受けた。世界的な注目を浴びつつある展示会かもしれない。住宅や建設に携わる業界人は行って損のないイベントだろう。注意点があるとすれば、周辺にあまり飲食店がないことがあげられる。夕飯を新橋あたりでとる計画を立てて、たまの平日ビックサイトで刺激を受けてくることを筆者はおススメする。

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