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2024.02.08
2024.02.09

排熱利用とは?メリットや具体例をご紹介

記事ライター:iedge編集部

排熱利用とは?

排熱利用とは、工場や自然界などで発生する熱を有効活用することです。工場では設備を稼働させる際に、エネルギーを消費していますが、その一部が熱となって放出されています。通常は放出された熱を大気中に逃がしているだけです。排熱利用をしている場合には、設備から放出される熱を回収したり貯めたりして他の用途に活用されます。
また、工場のように人間が作った設備だけでなく自然界においても、熱が発生しているところがあれば排熱利用は可能です。
人工物と自然界の両方において、未利用の熱エネルギーは非常に多く存在します。それだけ排熱利用のポテンシャルも高いといえるでしょう。

排熱が発生している主な場所

排熱が発生している主な場所としては、工業製品やその部品などを製造している工場の設備がイメージしやすいでしょう。清掃工場においても、未利用の排熱は非常に多いです。清掃工場には焼却炉が設置されており、ゴミを焼却しているため、普段から大量の熱を放出しています。
他に変電所やエアコン、乗り物のエンジンなど身近なところでも排熱が発生しているところがあります。
自然界では地中熱や河川水などが代表的な例です。河川と聞くと冷たい水をイメージする人も多いかもしれません。しかし、排熱利用においては、常温やそれより低いくらいの温度のものからも熱を回収できます。

排熱利用のメリット

排熱利用を行うことで次のようなメリットがあります。

省エネによるコスト削減

排熱利用を行わない場合には、必要な熱を確保するのにエネルギーを消費することになるでしょう。暖房など熱を発生させるために消費するエネルギーはかなり多いです。その点、排熱利用をした分だけエネルギーを消費せずに済みます。設備で発生した熱を回収して暖房に利用すれば、暖房のためだけに消費するエネルギーの量は減るでしょう。これまでよりもランニングコストが抑えられるのがメリットです。
排熱利用を行うためには設備が必要でイニシャルコストがかかりますが、長い目で見ればトータルでコスト削減につながります。

二酸化炭素排出量の削減

我々が消費しているエネルギーの多くは化石燃料から作られています。例えば、電気であれば、その大半は石炭や天然ガスを燃料とする火力発電の方法で発電されています。暖房器具などでは、石油を使用しているものもあるでしょう。
化石燃料が消費されれば、大気中に二酸化炭素が放出され、地球温暖化につながってしまいます。また、化石燃料は無限に存在するものではありません。消費し続けていれば、いつかは枯渇してしまいます。
これに対して、排熱利用をすることで、化石燃料の消費量を抑えられ、二酸化炭素排出量も削減できるのがメリットです。地球温暖化防止につながるでしょう。そして、限りある資源を次の世代に残せます。

排熱利用の方法

排熱利用を行う際にはヒートポンプという装置を使用します。ヒートポンプは、圧縮機が使用されており、空気を大量に集めてその中から熱エネルギーを取り出せる装置です。空気を圧縮することで、もともとあまり温度の高くない空気でも高熱になるため、熱エネルギーを取り出せるようになります。
工場設備のように大量の排熱が発生しているところなら、それだけ熱エネルギーの量も多いため排熱利用に利用可能です。また、ヒートポンプはエアコンや冷蔵庫などにも使われています。
熱エネルギーを取り出してもすぐに使用しない場合には、その熱で水を加熱して温水を作り、貯湯槽に貯めておきます。そして、必要なときに使用されるという具合です。
ヒートポンプを動かすのに電気を消費しますが、電気で熱を発生させる場合と比べると、消費電力はかなり少ない量で済みます。

排熱利用が行われている具体例

排熱利用は工場設備のような普段目にする機会が少ない場所だけでなく、身近な場でも幅広く行われています。では、排熱利用が行われている具体例について見ていきましょう。

冷暖房

温泉街のホテルでは、温泉熱を利用して暖房に使用している例があります。
温泉からは大量の熱が発生しています。その一方で、ホテルでは、各部屋やロビーなどで冷暖房を使用するため、エネルギー消費量が多いです。特にエネルギー価格が上昇している時期にはホテルの経営を圧迫してしまいます。
そこで、何もしなければ大気中に放出されるだけの温泉熱を有効活用する方法が考えられました。温泉熱を回収する方法は、温泉の湯の一部を熱交換器に通して貯湯槽にためるというものです。そこから、ホテルの暖房器具へ送り、室内を温めます。
また、ヒートポンプを使用して地中熱を冷暖房に利用している例もあります。ヒートポンプなら、高温でなくても熱を取り出すことが可能です。

給湯

温泉街のホテルでは、暖房と同じようにして給湯にも温泉熱や地熱が使われているケースが多いです。仕組みとしては暖房と大きく変わりません。熱交換器やヒートポンプを通して、貯水槽にためた熱を使用して、お湯を温めます。

融雪

冬場に雪が降る地域では、道路や建物の入口付近に融雪のための設備が設置されているところも多いです。温水を使用して雪を溶かしています。通常なら、エネルギーを消費して稼働させているためランニングコストがかかるのが実情です。
そこで、工場で捨てられている温水を融雪に活用できないかと考えられました。道路や建物の出入口だけでなく、工場の屋根の融雪に利用している例もあります。エネルギーの節約になるのはもちろんのこと、除雪作業の手間も省けているそうです。

車の暖房

車が走行しているときやエンジンがかかっているときには、エンジンから熱が放出されています。そのままにしておくと高温になって危険なため、普段はエンジンが冷やされる仕組みになっています。
その一方で、冬場は車の中で暖房を使用するでしょう。このとき、エンジンの排熱が暖房に利用されています。暖房を使用していると、いかにもエネルギーを多く消費しているように見えますが、車の暖房ではエネルギーを消費しません。そのため、車で暖房を使用しても、ガソリンやバッテリーが速く減ることはなく、普段と同じ減り具合です。

自動販売機

ドリンクの自動販売機の中には、ホットドリンクとコールドドリンクの両方を扱っているものもあるでしょう。ホットドリンクの方は高温の状態に保たれており、コールドドリンクの方は低温の状態に保たれています。
自動販売機の内部で保存されている場所が分かれていますが、一方は冷やされもう一方は温められている状態です。
その状況を上手く利用して、コールドドリンクを冷やすときに発生する熱でホットドリンクを温めています。冷やすのと温めるのを別個で行うよりも、エネルギー消費量が少なく済む仕組みです。

まとめ

排熱利用は、何もしなければ大気中に放出されて捨てられるだけの熱を有効活用する取り組みのことです。主に暖房や給湯などに利用されています。車の暖房や自動販売機など、身近なところでも排熱利用の例は多いです。
排熱利用を行えば、エネルギー消費が抑えられるため地球環境保護に役立ち、コスト削減にもつながります。ヒートポンプという装置を利用すれば、高温の熱でなくても利用可能です。未利用のまま放出されている熱はまだまだ多くあるため、今後はさらなる排熱利用の促進が期待できます。

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