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2023.07.06
2023.07.06

電気代は安くなる?スマートグリッドとは

記事ライター:iedge編集部

スマートグリッドとは

スマートグリッドとは、電力ネットワークと情報通信技術を組み合わせた次世代型エネルギーシステムのことです。スマートは賢いという意味で、グリッドは電力網のことを指します。
現状の電力網でも、現在のところ大きな不都合は生じておらず、電力は安定供給されています。しかし、電力需要は年々増加傾向にあり、特に夏場は電力の逼迫が起こりやすいです。そのような状況から、スマートグリッドが提唱されています。
スマートグリッドの基本的な仕組みは、電気の使用状況をリアルタイムで電力会社に送信するというものです。電力会社では、そのデータを元にし、効率が良くなるようにして送配電を行います。
そのため、現状の電力網を使用するよりも電力供給が安定するという仕組みです。
また、現状の電力網からスマートグリッドへ移行するには、スマートメーターとHEMSが必要になります。

スマートメーターの設置が進んでいる

スマートメーターは、コンピュータが使用されている電力メーターのことです。電気の使用状況のデータをリアルタイムで電力会社に送るために、スマートメーターを使用します。
現在では従来型のアナログの電気メーターと、スマートメーターの両方が混在している状態です。しかし、アナログの電気メーターからスマートメーターへの交換が進んでいます。そのため、以前よりはスマートメーターが設置されている家庭が増えてきました。
そして、2024年までに国内全体でスマートメーターへの交換を完了する予定です。スマートメーターが設置されれば、スマートグリッドを導入する準備が整います。

スマートグリッドのメリット

スマートグリッドが導入されれば、次のようなメリットがあります。

電力供給が効率化される

スマートグリッドの導入により、電力会社は各家庭や企業の電力消費量のデータをリアルタイムで把握できるようになります。そのデータを元にして送配電を行うため、これまでよりも効率的に電力が供給されるようになるのがメリットです。
また、地域全体の電力需要の動向を見て、発電量を調整することもできます。電力需要が少ないときに、多く発電してしまうようなことはなくなるでしょう。

停電が発生しにくくなる

現在の状態でも停電のリスクは低めですが、スマートグリッドが導入されればさらに低くなります。供給網が強化されるため、夏場の猛暑で電力需要が逼迫しそうなときなどにも、あまり停電の心配がなくなるでしょう。
今後は、高機能な家電製品やIT機器などがどんどん増えていくことで、電力消費量もさらに増加する可能性が高いです。現在でも10年前や20年前と比べると、電力消費量は上がっています。そのような状況の中で、スマートグリッド導入のメリットは大きいでしょう。
また、大地震で停電してしまった場合にも、スマートグリッドならこれまでよりも早く復旧できます。

再生可能エネルギーを効率的に使える

最近では再生可能エネルギーが注目を浴びています。一般家庭でも、屋根の上などに太陽光パネルを設置しているところが増えてきました。企業では、風力発電などの設備を設置しているところもあるでしょう。
ただ、現状では再生可能エネルギーがあまり有効活用されていないケースも目立ちます。電力は発電と同時に消費しなければならないためです。
その点、スマートグリッドで、電力網が強化されれば、発電した電力はそれを必要とするところにスムーズに運ばれます。再生可能エネルギーが無駄なく使われるのがメリットです。
また、悪天候などで十分な電力を発電できなかった場合には、電力会社から必要な分だけ電力の供給を受けられます。そのため、家庭や企業では安心して太陽光発電や風力発電を導入できるでしょう。

電力消費の状況を把握できる

スマートメーターでは、電力消費の状況を電力会社に送信するだけでなく、データとして残しておくことも可能です。そのデータが蓄積されれば、自宅での電力消費の傾向を掴むことができるでしょう。
いつの時間帯にどの部屋で電力消費が多いのかなどが分かるため、節電に役立てられるのがメリットです。

スマートグリッドのデメリット

スマートグリッドは良いことばかりではありません。導入する上で、次のようなデメリットもあります。

初期費用が多くかかる

スマートグリッドを導入するには多額の初期費用がかかります。スマートメーターを設置するのはもちろんのこと、BEMSやFEMS、太陽光発電システムなども設置するケースが多いです。
そのため、スマートグリッドの魅力を理解しつつも、初期費用がネックとなり、導入を見送っている企業も多いしょう。資金的な余裕のある企業でないと、なかなか導入には踏み切れません。

セキュリティリスクが高まる

スマートグリッドでは、電力消費量の状況をいつでも電力会社に送信できる状態になります。常にデータが送受信されているため、セキュリティリスクが高まるのがデメリットです。
また、クラウド型の電力監視システムなどを使用するケースもあるでしょう。その場合には、特に注意が必要です。セキュリティ対策を実施しておかないとサイバー攻撃に遭う可能性もあります。

スマートグリッド導入によりどう変わるのか

スマートグリッドが導入されれば、電力を効率良く使えるようになります。送配電の際の無駄がなくなり、電力消費量が同じ場合でも発電コストが下がる可能性が高いです。そうなれば、電気代も安くなるでしょう。
電力需要は年々増え続けている中で、スマートグリッドの導入により、電気代高騰に歯止めがかかるかもしれません。
それと併せて、省エネ意識や環境意識も高まっていくでしょう。現状の日本では火力発電に頼っていますが、将来的には再生可能エネルギーを利用した発電の比重が上がると期待されています。

諸外国ではスマートグリッドが進んでいる

日本ではスマートグリッドの導入事例はごく一部にとどまり、ほとんど普及していないのが実情です。しかし、諸外国では日本よりもスマートグリッドの普及が進んでいるところもあります。
例えば、アメリカでは「DOEGrid2030」や「EnergyPolicyActof2005」など、スマートグリッド関連の政策が実施されています。また、スマートグリッドはもともとアメリカで考案されたシステムです。そのため、世界の中でもスマートグリッドの導入が特に進んでいます。
欧州では、風力発電を中心とする再生可能エネルギーによる発電を中心に、スマートグリッドが進められています。2001年の時点で、欧州各国に再生可能エネルギーの導入量の割当などが行われていました。スマートメーターの導入に関しては2006年に義務化されています。
新興国では電力供給が不安定になることが多いですが、中国ではその解消を目的として、スマートグリッドの導入が進められています。特に送電網の強化に力を入れているのが特徴です。
韓国ではスマートグリッド市場において、3分の1のシェア獲得を目指しています。2009年には既にスマートグリッドの実証実験を開始しており、アジアの中では導入が進んでいる状況です。2011年にはスマートグリッド法も制定されています。

まとめ

スマートグリッドは、情報通信技術を用いて効率良く送配電できる電力網です。電力の安定供給が可能になり、停電の防止や省エネなどに役立ちます。
日本ではまだ本格的に導入されてはいませんが、今後導入が進む可能性が高いです。再生可能エネルギーの活用が進み、環境保護に貢献しつつ電気代も安くなることが期待されています。初期費用がかかるのが難点ですが、それ以上にメリットは大きいといえるでしょう。

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