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2019年に「ホームIoT」がキャズムを越えるために必要なこと(前編)

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ホームIoT元年だった2018年

2018年はホームIoT元年と呼べる年だった。2017年末に発売された「Google Home」と「Amazon Echo」が順調に出荷され、それに合わせて各社がホームIoTガジェットを競うように発売し、普及への準備が整った。

と思ったのだが、まだまだ「キャズム」は越えていない状態にある。昨年10月の調査では日本のAIスピーカー普及率は4.2%(MMD研究所調査)であることからも、それは明らかだろう。AIスピーカーがホームIoTの全てではないが、入り口であることは確かだ。

そこで、今回の記事では前後編に分けて2019年がホームIoTの「普及の年」になるには何が必要なのかを考えてみたい。私たちのようなテックギーク以外の層がホームIoTを使うようになるにはどうしたらいいのだろうか?

この前編では主に、ユーザーの使用シーンからその問いを考えてみる。

 

画面付きAIスピーカーを普及させるべき

AIスピーカーというと、普通はGoogle HomeやAmazon Echoのような、一見ただのスピーカーにしか見えないものを指す。

「ただのスピーカーにしか見えないのに様々な質問に答えてくれる」というのはテックギークにとって非常に魅力的 ――HAL9000がただのランプにしか見えないのに乗組員を殺そうとしたように、その「底知れなさ」がたまらないのだが、一般層にホームIoTを普及させるにはこれでは無理だろう。

冒頭でも書いたように、AIスピーカーの普及率はたったの4.2%だ。昨年末のAmazonセールで多少は増えたかもしれないが、それでも5%を上回ってはいないだろう。

その理由のひとつに、セットアップひとつをとってもスマホが必要で、しかもアドホックWiFiで接続しなくてはいけないというのは大きいと思う。私たちにとってはどうということもないことだが、普段からテクノロジーに親しんでいないとこの操作はかなり「意味がわからない」はずだ。

そこで画面付きAIスピーカー(ややこしいので、ここからはAIディスプレイと呼ぶ)である。

私はAmazon Echo Spotのレビューで「親に贈って喜ばれるはじめてのガジェットかもしれない」と書いているが、タッチディスプレイを持つことでスマホなしのセットアップと操作が可能になっていることを高く評価したからこそだ。

AIディスプレイは、その操作性がきわめてスマホに近く、言ってみれば「据え置き型のスマホ」である。この点が批判的に語られることもあるが、使ってみればその利便性に気がつくだろう。わざわざスマホをポケットから取り出してニュースを読むより、目に付きやすいところに置かれたAIディスプレイに自動表示されるニュースを見るほうが楽だからだ。

また、家電リモコンとしても優秀だ。

Echo Spotも昨年11月のアップデートで画面からの家電操作に対応した。通常、IoT家電はAIスピーカーへの呼びかけかスマホで操作するものだが、一般層にとっては「なんでスイッチがあるのにわざわざ?」というのが本音である。そこへAIディスプレイを導入すれば、家中の照明や家電を操作できる「コントロールパネル」としてAIディスプレイが機能し、ホームIoTの利便性を感じやすくなるだろう。

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