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「アレクサは見た」殺人事件の法廷でアレクサが証言?!アレクサの録音はどこまで有能なのか

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アレクサが殺人事件の証言者に?

2019年、フロリダ州でアダム・クレスポという男性が妻のシルヴィア・ガルヴァを殺害した容疑で逮捕されました。警察が駆けつけたのは、クレスポ、ガルヴァの家に滞在していた友人が、2人の激しい口論を耳にして通報したためです。警察が到着した時点で、ガルヴァは槍のようなもので胸を貫かれて死亡していたといいます。

しかしクレスポは、口論中の最中に妻をベッドから引き離そうとしたところ、妻自身が持っていた槍が事故で刺さってしまったとして、無罪を主張しています。

警察は、通報のきっかけになった口論をアレクサが録音しているかもしれないとして、事件の現場にあった「Amazon Echo」の提出を求めました。それに対してクレスポの弁護士は、”無罪の証拠”としてアレクサが録音した音声を提出したのです。

アメリカでは、このようにスマートスピーカーに録音された音声データが犯罪の捜査に使われたり、証拠として法廷に提出されるケースが増えています。最初のケースは2016年だったと言われて、当初Amazonは警察からのデータ提出要求を拒否していたものの、後にデータを提出しました。

Amazonによると、警察から利用者のデータの提出を求められたケースは2020年上半期で3,000件以上にのぼり、そのうち約2,000件に応じたということです。Googleも同様のケースが増えていることを明かしています。

 

アレクサは常に音声を録音しているのか

スマートスピーカーが常にユーザーのプライベートを収集しているのではないか、という疑念の声は度々上がります。

しかしAmazonは、アレクサが音声を録音するのは「アレクサ」「コンピュータ」「Amazon」といったウェイクワードを検知したときだけだと説明しています。ウェイクワードを検知するため、常にマイクで音を収集している状態ではあるものの、録音はしていないということです。

アレクサはウェイクワードを検知すると録音を始め、ユーザーの「今日の天気は何?」「エアコンを付けて」など、聞き取った音声をクラウド上に送信します。音声がクラウド上で処理された結果、アレクサが天気を教えてくれたり、エアコンを付けてくれたりするのです。

このようにアレクサが録音しているのはウェイクワードの直後だけですが、ウェイクワードに似た言葉を誤って聞き取り、録音をはじめてしまうことがあります。クレスポとガルヴァの事件で警察がAmazon Echoの提出を求めたのは、何かの拍子にウェイクワードに近い言葉が発せられ、口論が録音されている可能性があると考えたためですが、おそらく断片的な録音でしかないでしょう。

 

アレクサのプライバシー問題

ユーザーとアレクサの会話は、クラウドに送信される際に暗号化されていて、第三者に盗聴される可能性は低いと言えます。しかし、ユーザーの音声を聞いているのは、第三者ではなくAmazon従業員の可能性が高いのです。

Bloombergは、ユーザーとアレクサのやり取りを世界中のAmazon従業員が聞いていると報じました。これは、人工知能では行き届かない微妙な調整や修正を人間の手によって行うためで、アレクサの精度向上につながるといいます。

Amazonは、従業員がこの作業をする際に、人物を特定できることはないと説明しています。しかしBloombergの取材によると、音声には日常会話の範疇を超えた非常にプライベートなものがある上に、従業員同士で「面白い音声」を共有し合うこともあったとされ、ユーザーにとってはプライバシーの不安が拭えないような気もします。

アレクサの録音データの利用を拒否することもできます。

Amazonのトップページから、

アカウントサービス>コンテンツと端末の管理>プライバシー設定>アレクサのプライバシー>アレクサのデータを管理する

と進み、「アレクサの改善に役立てる」の下にある、「音声録音の利用」をオフにします。

これをオフにすることによって、音声録音が機能の開発などに使われることを防ぐことができます。ただし、注意書きには「限定的な音声録音のみが人により確認されます」とあり、絶対に音声を人に聞かれないようにすることはできないようです。

また、アレクサに「アレクサ、今日しゃべったことを全部削除して」と呼びかけると、録音された音声を完全に削除することも可能です。