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注目が集まるスマートホーム市場のシェア争い、海外と日本との違いも含めて解説

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ジャンルを問わずあらゆる企業が参入し、シェア拡大しているスマートホーム市場

数年前まで日本でのスマートハウス市場に参入していた企業といえば、

・ネットワーク等を構築し提供する企業
・ソフトウェアやハードウェアの開発企業
・対応する家電を開発する家電メーカー
・スマートハウス設備が搭載された住宅を建築し販売するハウスメーカー

などがありました。

それから数年後、スマートハウスは現在のようなスマートホームに姿を変え、私たちの生活に徐々に入り込み、エネルギーマネジメント以外の部分についてもIoT化が進みました。

スマートホーム関連のさまざまなデバイスが開発され始めたことや、メーカーが異なる各デバイスを制御するためのプラットフォーム技術・アプリ等が必要になったことなどにより、ジャンルを問わずさまざまな企業が一気に参入してくるようになり、スマートホーム市場のシェア拡大につながっています。

 

本国アメリカではAmazon Echoが強さを見せつけている

アメリカでは、早くからスマートホーム市場に参入しているAmazonが、競合他社のGoogleやAppleを大きく引き離してリードしているようです。

事実、Amazon Echoは2014年11月6日にプライム会員と招待メンバー向けに販売が開始され、翌年アメリカで一般発売となったのですが、2016年11月時点で出荷台数が500万台を突破したとされています。

Amazon Echoは、その機能を拡張するためにさまざまなジャンルのサードパーティーサービスと連携を図り続けていて、今や世界中に広がる電子商取引市場にプラグインすることができるようになっていますので、この勢いはまだまだ衰えないだろうというのが大方の有識者の見解です。

GoogleやApple、そして今年になってスマートホーム市場への参入計画を発表したAndy Rubin主導のEssentialなどは、スマートホーム市場シェアを獲得するためにどのように差別化を図り、独自のサービスを展開していけるかが大きなポイントになります。

 

民泊やシェアハウスでの導入が進む日本でのスマートホームシェア争いは混沌としている

一方、日本では2017年7月にKDDIが本格的にスマートホーム市場シェア獲得のために参入し、「au HOME」サービスの提供を始めました。

今はまだ「au ひかり」の契約者のみが利用可能なサービスですが、今後他社のインターネット回線を契約している人にもサービスの提供を拡大していくとしていますので、タイミングによっては一般家庭に広く普及する可能性があります。

また、東京や神奈川を中心にケーブルテレビを提供しているイッツコム(イッツ・コミュニケーションズ株式会社)は、アメリカ・アイコントロール社のネットワークシステムを導入してスマートホームサービスを提供しています。

こちらは、すでに2015年からサービスが始まっており、イッツコムのケーブルテレビサービスを契約している一般家庭のみならず、近年順調に伸びている民泊やシェアハウスといった分野での導入も進んでいます。

KDDI、イッツコム両者に共通している強みといえば、スマホやケーブルテレビ、ネット回線など、すでに日本国内で広く普及しているサービスを提供している企業であるという点です。

「auのスマホを持っている」「イッツコムと契約している」という時点で、すでに消費者と接点があるというアドバンテージを持っており、月々数百円の基本料金+デバイスの購入費用で済むため、導入に対する抵抗が少ないメリットがあります。

とはいえ、Google HOMEに続いてAmazon Echoも2017年中に日本で販売を開始することが決まっているという点も見逃せません。

さらに、2017年12月にHomePodの販売を開始するAppleも、1~2年以内には日本での販売を開始するだろうと言われています。

特に日本は世界的に見てもiPhoneの所有率が非常に高いことが分かっていますので、今はAmazonやGoogleの後塵を拝しているAppleですが、日本市場において一気に挽回・逆転する可能性も否定できません。

このように、日本におけるスマートホーム市場のシェア争いは非常に混沌としており、新たな企業の参入決定によっては、さらに今後、熾烈さを増す可能性もあります。

 

スマートホーム市場のシェアをリードする企業はプラットフォーム事業者か?

各メーカーが実に多種多様なスマートホーム関連デバイスを開発・販売していますが、デバイスやアプリ、サービスが増えれば増えるほど、ユーザーフレンドリー性の高さが重要になってきます。

スマートホーム関連デバイスすべてを同一メーカーで揃えるというのであれば話は別ですが、現在使用している家電製品がすべて同一メーカーであるという家庭は、ほとんどないのではないかと思います。

エンドユーザーが最も重視しているポイントの一つは、メーカーよりも「価格やユーザビリティ性の高さ」です。

異なるメーカーのデバイスを複数導入しても、それらが問題なく相互接続され、適切に稼働するかどうかの方が大切になってくるのです。

そうなるとやはり、スマートホーム市場のシェアをリードしていくのはAmazon、Google、Appleといったクラウドベースのサービスを提供できるプラットフォーム企業と言えるのではないでしょうか。

スマートホーム市場のシェア争いが激しさを増すほど、新しいサービスや概念、技術やデバイスが開発され、私たちが想像もしなかったようなスマートホームを提供してくれるようになるかもしれません。

今後1~2年の日本におけるスマートホーム市場のシェア争いには、特に要注目です。