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スマートホーム(スマートハウス)の記事
2019.07.03
2019.12.04

VR(仮想現実)とは?最新活用事例やVR製品などわかりやすく解説【テクノロジー・AI 入門編】

記事ライター:iedge編集部

2016年は「VR(Vertual Reality)」元年となり、VR機器やソフトがたくさん市場に出回りました。そして2019年現在でもVRの進化はとどまるところを知りません。キャリアの「ソフトバンク」がVRを使い、どんな場所にいても「ヤフオク!ドーム」での観戦を疑似的に楽しめる実証実験を行ったりと、現実にもVRが一層浸透しつつあります。

このように現在世の中で話題になっているVRですが、「聞いたことがあっても技術的に難しそうで、VRについて詳しいことは分からない」という方も大勢います。そこで今回はVRと何か、そしてARとの違いや私たちの生活にVRが何をもたらすかまで、幅広い視点からVRについて分かりやすく解説。「VRについてしっかり理解しった上で、VRによって世界がどう変わるのか知っておきたい」という方はぜひご覧ください。

▼この記事でわかる!

  • VRの意味やできること
  • VRの身近な活用事例
  • VR体験ができるスポットやアプリ(2019年)

 

VR(仮想現実)とは?わかりやすく解説

VR体験をしている女性の様子

VRとは日本語に訳すと「仮想現実」という意味になります。その名の通りコンピューターで現実世界に似た仮想の空間を作り出し、ユーザーに体験してもらいます。VRを利用しているユーザーは、現実世界によく似せて作られた仮想空間の中で、現実世界では不可能ないろいろな体験ができます。


(video:Best VR 360 Video 3D-VR-360 VIDEOS/
Youtube)

実はVR自体の概念は昔から存在していました。1935年にはある小説の中でゴーグル型のVRシステムが描写されたり、1968年にはVR装置が開発されたりと、意外とVRの歴史は長いのです。初期のVRは大掛かりな装備が必要で、一般的に普及するにはクオリティ面やコスト面でも不足している点が多くありました。

しかし社会のIT化に伴う目覚ましい技術進化で、状況が変化。VRに必要な部品のコンパクト化や画像処理技術の向上などが実現し、VRが一般的に普及する土壌が整いました。そして2016年にVRゴーグルを始めとしたVR関連の製品や施設が続々と発表されるVR元年につながったのです。

 

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VRとARの違いとは?

VRとARの違いとは

VRとARの違いに悩む女性

VRとよく混同されがちなのが「AR(Argument Reality)」です。ARもコンピューターを駆使して映像を投影する部分はVRと似ていますが、決定的な違いがあります。

ARは日本語に訳すと「拡張現実」という意味になります。現実世界にコンピュータを使って情報を追加する技術で、AR技術を用いた「ナイアンティック」の「ポケモンGO」は大ヒットゲームアプリになりました。

ARの歴史も古く、1901年には劇作家によりARに関係するアイデアが発表されています。最初は軍事など産業中心に発展したARですが、携帯端末普及によりそのコンテンツの一部として一般に広まりました。今では家具の位置をARで計測するアプリなど、ARを用いたデジタルコンテンツを至るところで見られます。

さて先ほどもお伝えしたとおり、ARでは現実世界にコンピュータを使って情報を追加します。そのためARはあくまで情報を付与する現実世界ありきの技術です。しかしVRは現実世界に似た仮想空間を構築してユーザーに投影するため、現実世界とは切り離された技術になります。

ユーザーが見ている現実世界にコンピュータで作った情報を追加するのか、それともユーザーが見ている空間全てをコンピューターで作った世界に置き換えるのか。このようにARとVRには大きな違いがあります。
 

VRが活躍するのはゲームだけではない

VRでゲームを楽しむ女性

皆さんがVRと聞いてまず思い浮かべるのは、VRゲームではないでしょうか。ゲーム業界では多くのゲームソフトが発売され、「カプコン」の「バイオハザード7」など、ビッグタイトルも参加して話題になりました。VRゲームではリアルに広がるゲームの世界で、プレイヤーが銃を撃ってゾンビを倒したり、飛行機で大空を舞って飛行したりと、現実世界では味わえない体験に没入できます。

確かにVRによってゲーム業界は大いににぎわっています。しかしVRが活躍しているのはゲームだけではありません。ビジネスやスポーツ、建設など、さまざまな業界でVRが活用されています。

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VRの最新活用事例

 

各業界(分野)におけるVRの最新活用事例

ビジネスマンがVRカメラを試す様子
ここからは、各業界・分野でのVR最新活用事例を見ていきましょう。

  • 小売業界でのVR活用
  • スポーツ分野でのVR活用
  • 建設業界でのVR活用

小売業界でのVR活用(ウォルマート)

米発祥の世界的スーパーマーケットチェーン「ウォルマート」では、米国内の従業員にVRゴーグルを用いた教育研修を行いました。

ウォルマートには米国内だけで100万人を超える従業員がおり、この膨大な従業員全てにどうやって均質的に、そしてスキルアップにつながる教育研修を行うかが課題となっていました。そこでスポーツ×VRについて研究を行う「STRIVR Labs」とVRゴーグルで有名な「Oculus」がウォルマートに協力。ウォルマート各店舗にOculusのVRヘッドセット「Oculus Go」を設置し、従業員がVRの世界でコンテンツを通して教育研修を行えるようにしました。

接客など従業員に必要なスキルを、「STRIVR Labs」と「Oculus」が開発した質の高いコンテンツをもとに学習できるのが特徴。資料や講義を使っての教育研修とは違い、実際の作業に近い感覚で学習を進められるのがメリットです。

実際VRトレーニングを受けた従業員のパフォーマンスは、VRトレーニングを行っていない従業員よりも向上したというデータも出ています。VRを利用した教育に大きな効果があることを立証しました。

スポーツ分野でのVR活用(スマート光タウン熊本プロジェクト)

通信事業大手の「NTT」と「NTT西日本」は、熊本県で2019年5月~12月開催されるハンドボールイベントの動きを「センシング(センサーなどで情報を計測して数値化すること)」して再構築後、VRに展開する実証実験を行います。

この試みはNTT西日本が熊本県、熊本市と連携して進めている「スマート光タウン熊本プロジェクト」の一環です。スマート光タウン熊本プロジェクトは熊本の「ICT(情報通信技術)」化を進めるプロジェクト。今回のプロジェクトではセンシングに基づく映像をスポーツ観戦や選手トレーニングなど、VRを使って幅広く利用できるようにすることを目的としています。

そして将来的にはVRを用いたスポーツ観戦などの取組に活かすとともに、「2019女子ハンドボール世界選手権大会」などを控える熊本のさらなる地域振興を目指しています。


(画像引用:NTT西日本公式HP「広域空間での動きセンシングによるハンドボールVR体験の実証実験について」
https://www.ntt-west.co.jp/news/1905/190513a.html)

建設業界でのVR活用(東急建設)

ゼネコンである「東急建設」は、就活生などが自社で働く際のイメージがわきやすいよう、建設現場での仕事をリアルに体験できるスマホアプリ「東急建設/新入社員の一日VR」を無料で公開しました。

このスマホアプリでは現場を360度立体視でき、VRゴーグルを使えばさらにリアルな現場体験ができるようになっています。VRの特性を活かし指定した箇所の解説が表示されるようにするなど、視覚情報を補いながらどんどん先の映像へ進めらるようになっています。

建設現場の作業というのは、実際に現場で働かないとイメージがわきにくいものです。東急建設ではVRアプリを駆使することで、就活生などが自社の建設現場をリアルに体験できるようにして、建設現場への理解を深めてくれるように工夫しています。

建設業界でのVR活用(東急建設)
(画像引用:App Store)
https://itunes.apple.com/jp/app/id1362993988?mt%3D8%26ign-mpt%3Duo%253D4)

 

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VRがもたらす生活への影響

VRが私の生活にもたらす3つの変化

ショッピングカートの模型

VRはゲームだけでなく各業界・分野でも活用されていることがお分かりいただけたと思います。そしてVRは、私たちの生活にも主に3つの変化をもたらします。

  • 購買体験などの向上
  • リモートワークが進む
  • VRで過ごす時間が長くなる

購買体験の向上

VRゴーグルを付けたユーザーが仮想空間内のお店に来店し、希望の商品を選んで購入する。こんな世界が現実になろうとしています。

従来のネットショッピングでは、家にいながら買い物ができるメリットがある半面、実際に商品に触れたり見た目を立体的に確かめたりといったことができないデメリットがありました。VRを使えば、ネットショッピングで購入する商品も仮想空間内で実際に触れたり立体的に確かめたりできます。また不動産の内部見学などもVRを使えば簡単にできるようになり、物件の成約率向上などが狙えます。

今後はVRを利用した商品やサービスが増え、顧客の購買体験が向上していくでしょう。

リモートワークが進む

働き方改革の一環として、家にいながら会社の仕事を行うリモートワークが推奨されるようになりました。しかしリモートワークだと実際にお得意先と顔を合わせられなかったりと、実際に職場にいないデメリットも出てきます。

VRを利用すると、家にいながら仮想空間の中でお得意様との取引をスムーズに進められます。このように従来のリモートワークではできなかった、リアルな職場環境の仮想構築がVRでは可能になります。これにより従来より一層さまざまな作業が自宅でできるようになり、仕事におけるリモートワークの時間が今後どんどん増えていくことでしょう。

VRで過ごす時間が長くなる

将来的にはVRを使ったコミュニケーションが今より活発になることが予想されています。今世間では「Vtuber(バーチャル世界のYoutuber)」が流行っていますが、私たちもVtuberのように仮想空間で好きなアバターを使って遊んだり、買い物をしたりといった体験が普通になるかもしれません。

人間はこれからVRで過ごす時間が大半になるという意見も出ており、今からは予想もつかない未来が待っていそうです。
 

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話題のVR製品3選

VRカメラとは?今話題のVR製品3選

VR技術が注目されるようになってから、VR映像を楽しめる機器にも人気が出ています。代表的なのが「VRカメラ」です。

VRカメラとはVRゴーグルなどで楽しめる360度に渡る立体的な映像を撮影できるカメラで、「360度カメラ」とも呼ばれます。VR需要を見込んで、さまざまなメーカーからさまざまなVRカメラが販売されています。そこでここからは、VRカメラの中でも話題になっている人気製品を3つご紹介します。

リコー THETA SC

リコー「THETA SC」製品画像
(画像引用:リコー「THETA SC」製品ページ
https://ricohimagingstore.com/theta-sc-wh-s0910740-group.html)

カメラ製造などの大手企業である「リコー」のVRカメラ「THETA SC」。剛性も高い、高級感のあるマットなボディが魅力的です。

VRカメラで肝となる手ぶれ補正もばっちりで、何といっても「「4K」レベルの360度動画を撮影できる」のが最大の特徴。1秒間に30フレームという滑らかな映像を撮影できます。他にも電池残量や撮影モードなど、使いやすいユーザー・インターフェースにも要注目です。

Insta360 ONE X

Insta360 ONE X」製品画像
(画像引用:Insta360.com「Insta360 ONE X」購入ページ
https://store.insta360.com/product/one_x?_ga=2.130205135.1989844600.1559544831-1771679254.1559544831&_gac=1.45940182.1559546600.Cj0KCQjwguDeBRDCARIsAGxuU8aebLkgWAWUD2jdO6AqF0tR_yK23pRYP45skR_Kr38TOP-vZ4ZINaAaAhoCEALw_wcB)

中国のスタートアップ企業「Shenzhen Arashi Vision社」の「Insta360 ONE X」。microSDカードを使って容量の拡張も可能で、安心して360度動画の撮影を楽しめます。

特徴は「メーカー最高峰の手ぶれ補正機能」。製品のデモ動画では走行など激しい動きを行いながら撮影を行っていますが、撮影映像にほとんどぶれがなく、比較された他メーカーのVRカメラよりも高い補正能力を見せています。アクションカムとしても使える逸品です。

ハコスコ PanoClip

ハコスコ「PanoClip」製品画像
(画像引用:ハコスコ「PanoClip」製品ページ
https://store.shopping.yahoo.co.jp/hacoscoshop/8545039.html)

段ボール製のVRゴーグルで有名な「ハコスコ」。ハコスコでは「PanoClip」というVRカメラを発売しています。iPhoneに装着して、製品内の魚眼レンズでスマホ内カメラを360度カメラにします。

専用のカメラを持っていない分、「リーズナブルな値段で購入できる」のが特徴。現在「アマゾン」では 4860円と、高いものでは10万円を超えるVRカメラの中では格安です。初心者がライトに360度映像を楽しむのに向いています。
 

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VR体験ができるスポットやアプリ

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