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スマートホーム(スマートハウス)の記事
2019.07.09
2019.07.11

ウェアラブルデバイスとは?2019年最新トレンドや選び方のポイント【テクノロジー・AI 入門編】

記事ライター:iedge編集部

社会ではIT化がどんどん進み、「IoT(モノのインターネット化)」機器もどんどん普及しています。代表的な例がウェアラブルデバイス。「Apple」の「Apple Watch」などを始めとして、最新鋭のウェアラブルデバイスが続々登場しています。

IT専門の調査会社「IDC Japan」では、2018年10月~12月のウェアラブルデバイスの世界及び日本国内の出荷台数を発表。世界では5931万台と、2017年10月~12月と比較して31.4%出荷台数が増えました。また日本国内では55.6万台と、2017年10月~12月と比較して25.5%増えました。

このように今勢いがあるウェアラブルデバイスですが、「ウェアラブルデバイスの具体的な仕組みや機能などは分からない」という方も多くいらっしゃいます。ウェアラブルデバイスについて詳しく知ることで、ウェアラブルデバイスをフル活用して便利な生活を送れます。

そこで今回は、ウェアラブルデバイスとは何か、そして主な機能や選ぶ際のポイントまで幅広く解説。「ウェアラブルデバイスについて詳しく理解して、日々の生活に活かせるようになりたい」という方は是非ご覧ください。

▼この記事でわかる!

  • ウェアラブルデバイスでできること
  • ウェアラブルデバイスの活用法
  • ウェアラブルデバイスに関連したトレンド(2019年)

 

ウェアラブルデバイスとは

PCの前でウェアラブルデバイスを操作する様子

ウェアラブルデバイスとは、その名の通り身に着けられる(ウェアラブルな)IT機器のことを指します。ウェアラブルコンピューターとも呼ばれ、「コンピューターを着用できるように小型化、及び最適化したもの」というコンセプトがうかがえます。

1970年代から一般向けにデスクトップパソコンが開発され、それから持ち運びを考えたノートパソコン、次に携帯電話機能を持つスマホと、コンピューターに関するITはどんどん発展してきました。そしてコンピューター発展の最新系が、装着部位ごとに最適化され、身に着けながら各種操作ができるウェアラブルデバイスです。

 

ウェアラブルデバイスの主な機能

ウェアラブルデバイスは、主に次のような機能を持っています。

  • VRやARとの連携機能
  • 他端末と連携した通信機能
  • 健康管理やトレーニングに関する機能

VRやARとの連携機能

スマートグラスを思い浮かべると分かりやすいですが、ウェアラブルデバイスは「VR(仮想現実)」や「AR(拡張現実)」との連携機能があります。

例えばウェアラブルデバイスを身に着けているユーザーの目の前に仮想空間を投影してゲームなどを楽しんだり、現実世界に気温や今後の天候などの情報を追加したりと、VRとARとウェアラブルデバイスを連携させることで、さまざまな目的に利用ができます。さらにスマートグラスだけでなく、グローブ型やシューズ型のウェアラブルデバイスも開発されており、今後新しいタイプのウェアラブルデバイスが出てくればそれだけVRやARとの連携が楽しくなりそうです。

他端末と連携した通信機能

ウェアラブルデバイスとスマートフォンが連携して作動するイメージ

ウェアラブルデバイスには他端末と連携した通信機能があります。

例えばApple Watchでは「iPhone」と「Wi-Fi」や「Bluetooth」を利用して接続することで、iPhoneから離れた場所でも電話に出たり、SNSのメッセージを受け取ったりできます。またAppleが提供しているAIアシスタント「Siri」を簡単に呼び出せます。

あくまでこういった通信機能はスマホやパソコンなど、他機器と連動した使い方が前提になっています。しかしこれからITが発達し、電子部品の小型化や高性能化が起きれば、スマホの代替として単独でウェアラブルデバイスを使えるようになるかもしれません。

健康管理やトレーニングに関する機能

ウェアラブルデバイスを使うと、日々の健康を管理する機能もあります。

例えば心拍数を計測したり、マインドフルネスにつながる呼吸の補助など、健康管理に必要な各機能を備えています。またトレーニング時の消費カロリーや、運動時間の計測などもできます。ウェアラブルデバイスのモデルによっては防水性があり、水がある場所でも運動量などを測れます。

健康管理やトレーニングに関する機能は、時計やリストバンドタイプのウェアラブルデバイスによく見られる機能です。
 

ウェアラブルデバイスができること

ウェアラブルデバイスを使って、私たちは一体何ができるのでしょうか?

ウェアラブルデバイスには上記で紹介した他にもいろいろな機能があり、できることは無限大といっても過言ではありません。ただしウェアラブルデバイスによって通話やSNSメッセージ受け取りができる物や、通話などはできない分健康管理に機能を絞ったモデルなど、機器ごとにコンセプトが異なります。そのため後述しますが、ウェアラブルデバイスを購入する際は”選び方”もポイントになってきます。

将来的には用途に合わせたさまざまなウェアラブルデバイスが作られ、今までより多種多様なことができるようになるでしょう。例えばジェスチャーでパソコンが操作できるようになったりと、我々の暮らしはウェアラブルデバイスによってさらに便利になります。
 

ウェアラブルデバイスの種類(リストバンド、足首など)

様々な形状のウェアラブルデバイス

ウェアラブルデバイスには、例として次のような種類があります。

  • 時計、リストバンドタイプ
  • 眼鏡タイプ
  • スーツタイプ

時計、リストバンドタイプ

時計、リストバンドタイプは、現在ウェアラブルデバイスの中で最もシェアが高いタイプです。腕に普通の腕時計やリストバンドのように巻き付けるだけで使えます。ディスプレイに時刻表示したりと、デジタルウォッチのように使えるものもあり、Apple Watchなどのハイクラスモデルはディスプレイの見た目も自由に変えられます。

最初は健康管理機能が主でしたが、最近では「NFC(近距離無線通信)」を利用して「Suica」などの交通系ICカードやクレジットカードの決済まで行えるモデルもあります。わざわざ財布から各種カードを取り出さずに決済できる上、スマホで決済するよりスムーズなのがメリットです。

眼鏡タイプ

スマートグラス

ゴーグルタイプのウェアラブルデバイスは、眼鏡と同じで目に装着して使います。いわゆる「スマートグラス」と呼ばれるタイプです。近未来的な硬質なものから、おしゃれ好きにも受けそうなスタイリッシュなものまで、さまざまなデザインが存在します。

現在VRやARを駆使したゲームを行うときにはスマートグラスを利用します。スマートグラスを通してユーザーの視界に360度のVR映像を見せることで、ユーザーは現実とは異なる仮想世界に没頭できます。またスマートグラスを通して現実世界にコンピューターグラフィックスの情報などを追加すれば、AR世界でゲームプレイを楽しめます。

またスマートグラスの用途はゲームだけにとどまりません。詳しい内容は「ウェアラブルデバイスが活用される分野」の章でご紹介します。

スーツタイプ

最近ではスーツタイプのウェアラブルデバイスも登場しました。

最近では「日立製作所」が「ドイツ人工知能研究センター」とタッグを組んで、スーツ型のウェアラブルデバイスを開発したことを発表しています。このスーツは内部のセンサーにより着用者の身体負荷をデータ取得。「AI(人工知能)」を利用してデータ分析を行い、作業の改善などにつなげられます。

またVRゲームでもウェアラブルスーツ系の機器の開発が進んでいます。将来はVRゲーム内の歩行をデータ化し、どのくらい歩いてカロリーをどれほど消費したかなどの計測も可能になるでしょう。
 

ウェアラブルデバイスを選ぶ際のポイント

店内に陳列されるウェアラブルデバイス

ウェアラブルデバイスを購入したい場合は、購入前に次の点を押さえて自分にピッタリのウェアラブルデバイスを選びましょう。

  • タイプで選ぶ
  • どんな目的に使うかで選ぶ
  • 値段で選ぶ

タイプで選ぶ

今までお伝えした通り、ウェアラブルデバイスには時計・リストバンドタイプや眼鏡型など、さまざまなタイプがあります。タイプごとに得意とすることが違います。

例えば一番手に入りやすい時計・リストバンドタイプは健康管理やビジネス用途などに向いています。また眼鏡型はVRやARコンテンツを楽しむのならば必須でしょう。

このようにタイプごとに得意としていることが違うので、ウェアラブルデバイスを選ぶ際はタイプごとの特性をよく理解しておきましょう。

どんな機能があるかで選ぶ

ウェアラブルデバイスごとに、搭載されている機能はまちまちです。時計タイプで言えば電話やSNSメッセージ機能が搭載されているものもあれば、搭載されておらず健康管理や時刻表示に特化したものもあります。

健康管理でウェアラブルデバイスを利用する場合は電話やSNSメッセージ機能は無駄でしょう。このようにウェアラブルデバイスごとの機能を見極め、自分に必要な機能のあるモデルを選ぶのもポイントです。

値段で選ぶ

ウェアラブルデバイスを選ぶ際は、値段も重要です。極端な話、「値段の高いもの=機能がよい」というわけではありません。

時計タイプにおいてはApple Watchのような数万円以上する高価なものから、「Android OS」を搭載したモデルには1万円前後のものもあり、値段が大きく違います。自分がどんな用途でウェアラブルデバイスを使うか考えて、必要な機能のあるモデルをしっかり選べば、コストを押さえて良品を手に入れることができます。

ウェアラブルデバイスが活用される分野

ウェアラブルデバイスはプライベート用途だけではなく、ビジネスなどの領域でも幅広く活用されています。そこでここからは、ウェアラブルデバイスが活用される分野を見ていきたいと思います。

  • 小売業
  • 製造業
  • スポーツ分野

小売業

ショッピングカートをおす女性

小売業では、最近話題の「PayPay」などを始めとしたスマホ決済の利用者も増え、レジでの待ち時間短縮にもつながっています。そしてウェアラブルデバイスを利用すると、決済がさらに便利になります。

例えばスマートウォッチを付けて決済機器に近づけるだけで、スマホを取り出す手間さえ掛けずに決済を完了させられます。また中国のとあるメーカーは巻き付けて腕時計のように使えるウェアラブルスマホを発売しており、そのウェアラブルスマホではQRコードを使った決済まで可能です。

ウェアラブルデバイスを活用することで、今までより一層決済が便利になり、小売業にも多大な経済的利益が発生するでしょう。

製造業

製造業では細かい製品チェックなど、各製造工程を専用のタブレット端末で管理しているところが多いです。しかしタブレット端末だと利用時に手がふさがってしまうなど、作業に支障が出るデメリットもあります。

そこで業務用のスマートウォッチが登場。長時間使用など、業務利用を想定して作られた業務用スマートウォッチを使えば、手をふさぐことなくシームレスに作業をこなせます。これにより製造業では業務の効率化を狙えます。

またスマートグラスを使い、ARを利用して他の作業員に指示を出したりと、より視覚的に分かりやすい方法で業務を進めているところも増えています。

スポーツ分野

ランニング中の女性

スポーツ分野では、ウェアラブルデバイスをAIなど他ITと組み合わせて活用する動きが広がっています。

スマートウォッチなどで計測した選手の心拍数や体の動きなどを取得。AIで分析を行って効率的なトレーニングを実現できます。ウェアラブルデバイスの弱点であった測定外の要因まで計測してしまう弱点を、要因を排除し正確な分析結果を出せるAIで解決した形です。

またアメリカではスーツ型のウェアラブルデバイスで選手のパフォーマンスを最大化できるような実証実験も行われています。今後のスポーツ分野でのウェアラブルデバイスの活用にも要注目です。
 

ウェアラブルデバイスの最新トレンド3つ

ここからは、ウェアラブルデバイスに関する最新トレンドを3つお伝えしていきます。

  • さまざまなウェアラブルデバイスが登場
  • 5G普及でウェアラブルデバイスがさらに使いやすく
  • 今後は中国勢のシェアが伸びていく

さまざまなウェアラブルデバイスが登場

今回紹介した時計・リストバンドタイプや眼鏡タイプ以外にも、さまざまなウェアラブルデバイスが発売・開発されています。

例えばクラウドファンディングサービスの「Makuake」では、ペットに着ける首輪型のウェアラブルデバイス「しらせるアム」が公開されています。しらせるアムは自分が飼っているペットに装着することで、ペットの健康状態や感情などを把握して解析できます。しらせるアムは現在一般販売へと向けて準備が進んでいます。

他にも「ウェザリー・ジャパン」が発売する、いびきを抑制できるウェアラブルデバイス「スノア・サークル」など、さまざまなウェアラブルデバイスが登場しています。今後さらに用途に応じた色々なタイプのウェアラブルデバイスが出てくるかと思うと、楽しみですね。

「しらせるアム」の概要
(画像引用:Makuake Anicall「しらせるアム」プロジェクトページ
https://www.makuake.com/project/anicall/)

5G普及でウェアラブルデバイスがさらに使いやすく

ウェアラブルデバイスを始めとするIoT社会で課題になるのが多数接続です。現在スマホなどで使われている移動体通信技術では、今後登場するウェアラブルデバイスまで含めた大多数の同時接続に絶えられません。

その解決策として注目が集まるのが「5G」です。5Gでは大多数接続が可能で、将来多数のウェアラブルデバイスが接続する状況になっても、接続不良に陥ったりするなどのトラブルを回避できます。

2019年4月に日本では「ドコモ」、「au」、「ソフトバンク」、「楽天モバイル」の4社に5Gの割り当てを決定。韓国やアメリカではすでに5Gの商用向けサービスも開始しています。今後5Gの普及が進めば、接続状況を気にしなくても気軽にウェアラブルデバイスを使えるようになるでしょう、

 

今後は中国勢のシェアが伸びていく

最近はIT業界で中国が幅を利かせるようになっています。

ウェアラブルデバイスでもその流れは同じで、2018年10月~12月には中国IT大手の「シャオミ」と「ファーウェイ」がウェアラブルデバイス出荷台数でそれぞれ2位と3位を記録。1位のアップルに次ぐ出荷台数で、出荷台数の伸び率は世界トップです。

技術的にも躍進を続ける中国が、今後ウェアラブルデバイスでもシェアをどんどん伸ばしていくでしょう。

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