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スマートホーム(スマートハウス)の記事
2019.06.17
2019.12.23

【連載】いま一度「IoT」という言葉について考えてみよう(第1回・全4回)

記事ライター:Yuta Tsukaoka

 

元号が令和に変わっても、世の中まだまだ「IoT」という言葉でいっぱいである。

Internet of Thingsの略で、日本語では「モノのインターネット」などという野暮ったい言葉が当てられることが多いようだが、実のところ、「モノのインターネット」とはいったい何なんだろう?

AIスピーカー、スマート電球、スマートIRリモコン… ひとつひとつのガジェットを挙げていけば、それが「IoT」なのだろうか。

違うはずだ。

今回の記事では、この「IoT」という、声高に叫ばれる割には(私も叫んでいる1人だ)意味のうまく掴めない言葉について考えてみよう。きっと、IoTの問題点を考え、未来を見通す手助けになるはずだ。

もともとは流通の効率化を目指す技術だった

 

はじめて「Internet of Things」という言葉が使われたのは意外と古く、1999年とされている。人物名でいえばケビン・アシュトンだ。

彼が規格策定に関わったRFIDについて述べられた言葉だとされている。

RFIDとは非接触型のICタグで、身近なところだと家電量販店の防犯用シールが分かりやすい。未購入商品を出入り口のゲートで検知するためのコイル入りシールを見たことがあるだろう。

そもそもRFIDは流通管理用に開発された規格だった。箱単位・商品単位でRFIDタグを取り付けることで、流通経路上のポイントを通過したときに記録を残す目的のものである。防犯用シールが出入り口のゲートでアラートを鳴らすのも、この使い方を応用したものだ。

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流通用技術として広まったIoT

流通用技術として広まったIoT

ケビン・アシュトンが発した「Internet of Things」という言葉は、大流行した。

流通において、モノの数はカネの数にほかならない。これを効率的かつ正確に管理することで、生産性が大きく向上する。しかし、IoT以前の流通では最初と最後 ――工場の出荷数とレジでの販売数を対にして管理していた。流通経路上を流れている数を細かく正確に把握することは難しく、ともすれば軽視されていたのだ。

たとえば、とあるコンビニでビールが1本売れたとする。であれば、工場は補充のために1本余計にビールを作る必要がある。しかし、出荷数と販売数のみで管理していると、月単位や週単位、どんなに短くても日単位での管理になるため、その補充生産には大きなタイムラグが生まれ、結果として余計に作りすぎるか、数が足りないかで損失が発生してしまう。

しかし、RFIDがあればコンビニに入荷されるまでの流通経路上に、いま何本のビールが存在しているかがわかる。

最寄りの配送センターに余裕があれば、次の出荷で本数を調整することができるだろう。または、走行中のトラック貨物に余裕があるかどうかも管理可能だ。こうして、1本売れたビールに対して1本の補充をするようなきめ細かい流通管理が可能になるわけだ。

このように、これまで現物をもとに管理してきた「モノ」にインターネットで管理することのできる環境を与えたのが、IoTである

「For」が「Of」になるとき

ところで、記事の最初に紹介したケビン・アシュトンの言葉については諸説あり、彼は「Internet For Things」という言葉を好んで使ったとも言われている。

流通だけではなく、工場に配置された無数の機器ひとつひとつの状態を管理したり、広い農場で土の状態やハウスの温度を管理したりと、モノの生産性を向上させる目的がまずあったことを考えれば、それも頷けるだろう。まさに「Internet For Things」つまり「モノのためのインターネット」である。

では、これが「Internet Of Things」と呼ばれるようになったのはなぜだろう?

「For」が「Of」にかわった理由を考えることで、いま私たちが普通に使っている「Internet Of Things」という言葉の意味がわかるはずだ。

<第2回へ続く>

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