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ついに健康市場へ本格的に乗り出した!googleのfitbit買収の背景や理解するポイントを解説

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日本政府やECも動いた!googleのfitbit買収の背景

googleがfitbitを買収すると発表したのは、2019年11月のことです。しかし買収に関しては波紋が広がり審査にかなり時間が掛かっています。

fitbitと言えばスマートウォッチ・スマートバンドで第1人者のメーカーです。スポーツ向けやフィットネス向けなど、今まで複数のモデルを発売してユーザーの健康促進をサポートしてきました。

「IDC Japan」が2020年3月に発表したデータによると、2019年のウェアラブル端末の世界合計出荷台数は3億3,650万台、そのうちfitbitは世界5位の出荷台数を誇っています。

fitbitは現在世界100か国で1億2,000万台以上ウェアラブル端末を販売しており、アクティブユーザー(実際に製品を使っているユーザー)は2,900万以上です。健康に関する大量のデータを蓄積して製品開発などに役立てています。

googleの買収に関して懸念されたのがデータの活用についてです。

googleは広告を始めとしたさまざまなサービスを展開しており、googleユーザーからのデータを基にサービスを最適化しながら収益を上げています。

ここにfitbitの健康データが加わるとさらにサービスが強化され、競合企業が太刀打ちできなくなってしまうほどgoogleが巨大になってしまう危険性があります。

そこで2019年11月の発表からすぐに買収が許可されたわけではなく、

・米連邦取引委員会
・EUの欧州委員会
・日本の公正取引委員会

といった各当局が買収に待ったを掛けて細かい審査を続けていました。

状況が変化したのは2021年1月14日(米国時間)です。googleが正式にfitbitの買収が完了したと一般に公表しました。

・10年間はgoogle広告にfitbitのデータを使用しない
・googleは引き続きウェアラブルメーカーにAndroidと連携するための技術を提供する

などの条件付きでの承認であり、fitbitのデータを自由に利用はできません。

ただしgoogle、fitbit双方は「今回の買収はデバイスを中心としたもので、広告などにデータを活用して市場を独占するのが目的ではない」と主張しており、条件の影響は限定的だと考えられます。

今後はgoogleとfitbitが共同で健康に関するウェアラブル端末やサービスを開発して、利便性の高い機能をユーザーに提供していくようになるでしょう。

 

コロナ対策に尽力!googleとfitbit2社の取組とは

コロナウイルスの早期発見などに関して、googleとfitbit2社は懸命に取り組んできました。

googleの場合は、たとえば2020年8月に「 COVID-19 Public Forecasts 」というサービスを公開しました。

今後予測される

・死亡者数
・陽性者数
・入院・療養等患者数

などを機械学習も活用しながら数値化する仕組みになっています。

医療機関や公的機関などが対策を検討する上での参考情報として提供されており、米国や日本で数値が公開されています。

また「Apple」と協力して、コロナ対策を行う機関に「Bluetooth」を活用した濃厚接触を検出できる技術を提供している点もポイントです。

fitbitの場合は、自社のスマートウォッチをスマホと連携させながら健康センサーとして活用し、ユーザーの健康状態を計測する実験を行っています。そしてコロナウイルスにより症状が悪化する1週間前から兆候が表れるといった研究結果を発表しました。

また米スタンフォード大学に自社スマートウォッチやアプリの独自機能などを提供してコロナウイルス研究をサポートする取組も行っています。

 

googleとfitbitの連携は強まるのか!?今後の動きについて


googleの幹部である「リック・オステルロー」氏は、「fitbitの最新技術や専門知識などがgoogleのAIと組み合わさり、ウェアラブル市場競争が活性化して将来端末がより高機能で手ごろな価格になると確信している」と述べています。

詳しい取組についてはまだ見えてきませんが、今後間違いなくgoogleとfitbit両社の機器・サービスの連携が強まっていくと思われます。

また今後はgoogleとfitbitが共同で研究を行うことで、さらなるコロナウイルス対策につながる機器やサービスなどが開発されやすくなるでしょう。消費者として今後の2社の動き