スマートホーム(スマートハウス)情報サイト

iedge

本人しか受け取れない「スマホが鍵になる」スマート宅配BOXとは

更新日:

再配達問題と宅配ボックス設置に関する課題

ここ20年で、再配達の量は3倍以上に増えたと言われています。

Amazon.co.jpなどのネットショッピングが主流になってきたことに加えて、共働きのため在宅しているケースが少ない、帰宅時間が遅くて受け取れないなど、個々にそれぞれ事情はあると思いますが、ドライバーの超過勤務は大きな社会問題となりました。

・再配達を有料にする
・一度で受け取った顧客にはポイントを付与する

などの対策を練っていますが、現実問題として再配達を減らすには至っていないようです。

一部のマンションなどでは宅配ボックスを設置して、不在だった場合はボックスに荷物を入れ、不在票に暗証番号を記載した上で顧客のポストに投函することで再配達をせずに済むよう考えられていますが、全マンションの割合としてはまだまだ多くありません。

また個人宅では設置するハードルが高い、コンビニなどに設置するには店員の仕事が増えるため導入が進まないなどの問題もあり、対策は遅々として進まないのが現実です。

今回ご紹介するスマート宅配BOXは、株式会社エスキュービズム・テクノロジーが開発した製品で、スマホが鍵になる(=本人しか受け取れない)宅配BOXです。

果たしてスマート宅配BOXは再配達問題を解決する存在となりうるのでしょうか?

 

本人しか受け取れないスマート宅配BOXとは

外寸が高さ50cm×幅50cm×奥行き50cm、内寸が高さ45cm×幅45cm×奥行き45cmというこのスマート宅配BOXは、鍵の開閉を、スマホアプリを通じて行うタイプのものです。

形状もそこまで大きくありませんので、これまで設置に対するハードルが高かった個人宅やオフィス、未導入のマンションやアパートなどにも容易に設置できるサイズになっています。

たとえ不在であっても、配達員がスマート宅配BOXに荷物を入れてスマホアプリで鍵をかけると、あなたに「荷物が入った」旨の通知が届きますので、無事に配達されたことを知ることができます。

また、あなたが帰宅してスマート宅配BOXを開けると、配達員には「受け取った」旨の通知が届きますので、それを以って配達が完了した証明にもなります。

この開閉に関する履歴はすべてクラウドに保存されて一元管理されますので、「配達した」「いや受け取っていない」などのトラブル防止にも一役買ってくれるでしょう。

鍵を開ける際は、あなたのスマホをかざすだけでランプの色が変わって解錠したことを知らせてくれますので、あとはスマホをタップすれば扉が開きます(スマート宅配BOXとスマホはBluetooth経由で連携します)。

万が一に備えて物理キー用の鍵穴も用意されていますので、スマホを紛失してしまった、電源が切れてしまったといった場合でも開けることができます。

なお、購入および設置費用については「応相談」とのことですので、興味がある方は一度、スマート宅配BOXの導入を問い合わせてみてはいかがでしょうか?

株式会社エスキュービズムスマート宅配BOX

 

宅配便だけじゃない、こんな場面でも力を発揮してくれる

スマート宅配BOXの設置場所は何も個人宅やオフィスなどに限ったことではありません。

例えばスマート宅配BOXがカフェに設置してあれば、

「自宅からネットショップで購入した本をカフェに設置したスマート宅配BOXに配達してもらう」

といったことも可能になります。あなたは直接そのカフェに行って、コーヒーを飲みながら購入したばかりの本を読むことができるのです。

また、近年海外旅行者の増加に伴って課題となっているのが「Wi-Fiルーターの受け渡し」です。

レンタルの手続きや受け取る時間を考慮して、チェックイン時間よりも早めに空港に出向き、列に並んで手続きをして受け取る……。

という流れが一般的ですが、列が長かったり空港への到着が遅れてしまったり、あるいはその他の何らかのトラブルで受け取ることができなかったり、といったケースも想定されます。

これはカウンター業務の効率をアップすることでしか解決できず、とはいうもののそれも大幅に効率アップできるほど業務を改善できるのかという問題を抱えています。

そんな時、貸出カウンターにこのスマート宅配BOXが設置されていれば、あなたはネット上で手続きや支払いを済ませ、当日は列などを気にせず空港の貸出カウンターに出向いてスマホで鍵を開ければ受け取り完了となるのです。

 

着払いや代金引換サービスへの対応も進む

スマート宅配BOX、いかがでしたか?

まだまだ普及には時間がかかるかもしれませんが、配達員はもちろん、私たち個人にも様々なメリットを与えてくれるIoT製品になりそうです。

なお、受け渡しや受け取りに関する実証実験は2016年10月~11月にすでに行われましたが、今後は着払いや代金引換といったサービスにも対応できるようにしていくとのことです。

例えば、受取人がスマート宅配BOXを解錠したタイミングで自動的に課金されるシステムが完成すれば、たとえ受取人が不在でも再配達をする必要がなくなり、ドライバーの負担を大幅に削減してくれることでしょうし、ひいてはそれが送料の低下につながるかもしれません。

現在は実験段階のようですが、ぜひ完成させて欲しいですね。