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スマートホーム(スマートハウス)の記事
2019.12.11
2019.12.19

住宅をスマートハウス化したい!国や自治体から補助金がもらえるって本当?

スマートハウスの核となるエネルギー管理システム「HEMS」ですが、導入する際に補助金がもらえることをご存知でしたか?新しくスマートハウスを建てたい方、既存の家をスマートハウス化したい方は、ぜひ参考にしてください。

記事ライター:iedge編集部

スマートハウスとは

スマートハウスとは、住宅全体のエネルギー管理や、断熱などの住宅性能による「省エネ」、太陽光発電による「創エネ」、発電されたエネルギーを貯蔵する「蓄エネ」の3つの柱をもとに、CO2排出量の削減を実現する住宅のことです。

2011年、東日本大震災後の電力危機を経験した日本では、各家庭のエネルギー消費量を抑制する省エネ住宅、スマートハウスに注目が集まりました。2012年には、国をあげて新築住宅のスマートハウス化が進められていくことになります。政府は2030年までにすべての住宅をスマートハウスにするという計画を掲げていて、スマートハウス市場の規模はこれから拡大していく見込みです。

スマートハウスとよく似た言葉に「スマートホーム」があります。スマートハウスが省エネにフォーカスしている一方、スマートホームはIoTによって生活を便利に、安全にすることに着眼しています。最近では、スマートハウスとスマートホーム両方の特徴を持ち、利便性と省エネを実現する住宅も登場しています。

スマートハウスの中核「HEMS」

スマートハウスを語る上で最も重要なキーワードが「HEMS」です。HEMS(ヘムス)は、Home Energy Management Systemの略で、住宅内のエネルギー状況を管理するシステムを指します。

HEMSは、住宅内のエネルギーの消費状況、太陽光発電による発電量などを「見える化」し、無駄な消費がないよう、自動で最適化してくれるものです。例えば電気料金が安い夜中などの時間帯に、洗濯機や湯沸かし器を自動で稼働させたり、気温に応じてエアコンの温度を制御したりすることができます。

自動制御での省エネはもちろん、住人の省エネ意識も高まります。エネルギー使用量を「見える化」することによって、どこでエネルギーを無駄遣いしているか、さらに省エネできる部分はあるかが分かるようになるからです。また、タブレットやスマートフォンなどから家電の遠隔操作が可能なので、外出先からでも無駄にエネルギーを消費している家電のスイッチを切ることもできます。

 

HEMS導入のメリット

HEMSの導入によって、CO2排出量の削減、光熱費の節約が期待できます。加えて、住宅の断熱性能・気密性能を高めることや、暖房の熱源に太陽熱を使うこと、自然の光や風を取り入れて活かす設計手法などの工夫で、さらなる省エネ、節約が見込めます。

太陽光発電によって消費エネルギーをまかなえれば、ZEH(ゼッチ)、ネット・ゼロ・エネルギーハウスも実現できます。消費エネルギーを節約し、新たにエネルギーを生み出すことで、住宅全体のエネルギー収支をゼロにしようというものです。

 

HEMS導入のデメリット

一つ目のデメリットには、HEMS導入にコストがかかることが挙げられます。HEMS導入によって節約できる光熱費と、導入にかかるコストを比較したくても、明確につかめないのが現実です。

しかし、HEMS導入には国や多くの地方自治体が補助金を出しています。政府が2030年までにすべての住宅にHEMSを導入することを目指しているためです。

二つ目は、HEMSに対応している家電が少ないことです。家電をHEMSに接続するには、家電がHEMS専用の通信規格「ECHONET Lite」に対応している必要があります。今後HEMSの推進が進むにつれて、対応家電は増えていくと考えられますが、HEMS導入の費用だけでなく、家電の買い替えにも費用がかかることに注意しなくてはなりません。

 

HEMS導入の初期費用

HEMSの導入には、メーカーによって費用にばらつきがあるもの、5万円から20万円の費用がかかります。

HEMSを提供する企業の一つPanasonicの公式ホームページで、HEMS導入にかかるコストが紹介されています。

新築住宅にHEMS(AiSEG2)を導入する場合

スマートコスモ(HEMS対応分電盤) 108,500円
AiSEG2(モニター付き) 40,000円
合計 148,500円

既存住宅にHEMS(AiSEG2)を導入する場合

エコーネットライト対応計測ユニット 69,800円
AiSEG2(モニター付き) 80,000円
計測回路増設アダプタ用分岐増設CTセット 30,000円
計測ユニット用電源ブレーカー 2,850円
合計 182,650円

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国や地方自治体の補助金

 

国の補助金

HEMS機器導入への国からの補助金は、2019年は支給されませんでした。過去には2011年、2013年に支給されています。政府が2030年までに全住宅へのHEMS導入を目指していることから、今後補助金の支給が再開される可能性は高いと考えられます。

過去の支給例

年度 補助金額
2013年度(平成25年度) 費用の1/3(上限7万円)
2011年(平成23年度) 定額7万円

東日本大震災の特定被災区域、検定付き電力計を搭載したHEMS機器を設置する場合は定額10万円

また、10kW未満の住宅用太陽光発電と共に、家庭用蓄電システムを導入し、同時にHEMSを導入する場合は、「災害時に活用可能な家庭用蓄電システム導入促進事業費補助金」を受け取ることができる可能性があります。

「災害時に活用可能な家庭用蓄電システム導入促進事業費補助金」の概要

蓄電池補助金の対象の方 10kW未満の住宅用太陽光発電を設置している方
これから設置する方
対象外の方 陽光発電を設置していない方
10kW以上の太陽光発電を設置している方
補助経費対象 家庭用蓄電システム、HEMS機器、工事費
補助額 上限60万円
公募期間 一次:終了済
二次:2019年10月1日~11月29日

細かい条件があるものの、条件を満たせば補助額の上限は60万円と高額です。蓄電池の購入を考えている方は、ぜひチェックしてみてください。

 

地方自治体の補助金

国だけでなく、多くの自治体がHEMS導入に補助金を支給しています。補助額や条件は自治体によって異なり、太陽光発電や蓄電池の設置によって補助額が高くなるところや、導入後にエネルギー使用量の報告を義務付けているところなどがあります。

申込みは先着順としているところが多く、また工事着工前の申請が必要なことが大半なので、HEMS導入を考えている人は早めに情報を確認することをおすすめします。「HEMS 補助金 ”お住まいの自治体名”」と検索すると良いでしょう。

地方自治体の補助金の例

東京都武蔵野市

補助対象 ・武蔵野市内の自宅にHEMS、太陽光発電システム、太陽熱温水システム、燃料電池コージェネレーションシステム、蓄電池システムのいずれかを導入または断熱改修する方

・交付決定後、アンケートを提出できる方

補助額 対象機器の購入費用 HEMS導入の場合は5万円
申請期間 2020年4月8日まで

埼玉県熊谷市

補助対象 ・熊谷市にスマートハウスを購入、または新築し、居住する人

・太陽光発電システム、家庭用燃料電池システムまたは家庭用蓄電システム、HEMS、LED照明を備えた住宅

補助額 一律50万円(25万円を現金、25万円を商品券)
申請期間 2020年3月31日まで

愛知県豊田市

補助対象 既存住宅にHEMSを設置する方
補助額 設置費用の25%(工事費含む)
申請期間 2020年3月31日まで

このように、スマートハウス化を実現するにあたって、さまざまな補助金も存在します。

スマートハウス導入を検討している方は、補助金制度も併せてチェックしてみましょう。

もっと気軽にスマートハウス化したいという方には、こちらの記事でおすすめのスマートホーム化を実現できるデバイスなどを紹介しています。ぜひチェックしてみてください。

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