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Winkが開発したスマートホーム用の壁設置型コントローラー「Relay」とは?

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Winkはアメリカのソフトウェア企業

Winkは、アメリカのソーシャル製品開発企業であるQuirky(クワーキー)が立ち上げた別ブランドで、主にIoT関連デバイスやソフトウェアの開発等を手がけている企業です(残念ながらQuirky自体は2015年9月に倒産してしまいました)。

アメリカではスタートアップ企業も含めるとすでに1,000社を超えるIoT関連企業が誕生していると言われていますが、その企業の多くが「スマートホーム市場」というフィールドで勝負をかけています。

今回ご紹介するWinkも早くからスマートホーム市場に参入しており、2014年に発売されたホームオートメーションコントローラー「Relay」によって、その存在感を世界中に知らしめることとなりました。

ただ、現在のWinkはどちらかと言うと「IoTデバイスを開発し提供する企業」という部分よりも「プラットフォームを提供する企業」といった側面が強いように思われます(もちろん自社で開発しているIoTデバイスもあります)。

ハブなどの基幹となるデバイスにWi-Fi、Bluetooth、赤外線など様々な通信機能およびプロトコルを搭載させ、メーカーが異なるデバイス同士でも容易に相互接続できるように制御するソフトウェアが組み込まれているのが、いわゆるプラットフォームです。

Wink のスマートホームデバイスであるRelayはまさにそうしたプラットフォームを提供してくれるデバイスで、自社製品はもちろんサードパーティーであるPhilips、nest、Google、Amazon、GE、Augustなど多くの企業のデバイスがRelayに対応しています。

 

Winkが開発した壁設置型スマートホームコントローラー「Relay」とは

続いてwinkのスマートホームコントローラー、Relayの機能について詳しくご紹介します。

まず対応しているデバイスですが、例えばスマート照明、スマートロック、ネットワークセキュリティカメラ、サーモスタット、スマートエアコンユニットなどがあります(実際にはもっと多く、100〜200種類とも言われています)。

これらを、Relayを介して連携させることで、Relay本体はもちろんWinkアプリによって、スマートホーム制御がスマホやタブレットからも可能になります。

Relayの設置は、一般家庭の壁に設置されている照明のスイッチを換装するという方法で簡単にでき、大きさは横16.66cm、縦14.94cm、厚さ3.18cm程度ですので、それほど大きい訳でもありません。

プレートに向かって右側に2つの機械式ボタン、左側に4.3インチのマルチタッチ・スクリーンが付いているほか、温度センサー、湿度センサー、近接センサーなども搭載されていて、通信はWi-Fi、Bluetooth、ZigBeeに対応しています。

発売当初は1台199ドル程度でしたが、現在は価格が大幅に下がり、1台59ドル(2台セットでも99ドル)で販売されています。

winkのスマートホームコントローラーRelayについて、詳しくはこちらの公式サイトをご覧ください。
Relay(英語版)

 

Relayを使えばワンタッチで色々なことができる

winkのスマートホームコントローラー、Relayは自身に対応しているデバイスを連携させてしまえば、あとはワンタッチで色々なことができるようになります。

現時点で可能なことや、今後、対応デバイスが追加されることによって可能になるであろうことの例を挙げてみます。

例えば「友達が集まってみんなでパーティをする」という場合は、ワンタッチで照明を派手にしてノリの良い音楽をランダムに流し続けることができますし、その模様を動画や写真に収めることも可能です。

あるいは就寝前、ワンタッチで家中の窓やドアが施錠され、寝室ではカーテンが閉まって照明が薄暗く灯り、眠りにつくのに最適な温度になるようにエアコンを制御するといったことも可能です。

タイマー設定しておけば、カーテンが自動で開いて太陽の光で目覚めることができ、スピーカーからは1日を元気に過ごすための音楽が心地よいボリュームで流れ、キッチンではお湯が沸いていて、あとはコーヒーを淹れるだけになっている……そんな夢のような朝も迎えられます。

さらに、マイクとスピーカーが搭載されていますので、例えばオフィスの複数箇所にRelayを設置しておき、それぞれを同期させることでインターコム(特定の地域内での通信連絡用のシステムのこと)も可能になると言われています。

 

Winkが示したスマートホーム関連IoT企業の方向性

多くのスマートデバイスはスマホのアプリなどで制御するのに対して、Winkはなぜ設置型を開発したのでしょうか。

その答えはシンプルなものでした。

たとえ自宅にいたとしても、カバンの中や離れた場所にスマホが置いてあるなど、必ずしも手元にあるとは限らない場面があり、壁のスイッチを押すという普段から行っている動作の方が簡単で楽な時があるというのが理由だそうです。

Winkがスマートホームの制御技術で示した、

「ユーザーフレンドリー性が高いプラットフォームを開発する」
「対応デバイスをどんどん増やしていく」
「ソフトウェアのアップデートで機能をどんどん追加していく」

という方向性は、このスマートホーム市場における激しい生存競争の中で生き残るための一つの大きな道標と言えるのではないでしょうか。